今年の確定申告は、マイナンバーカードを使ってeTaxで行いました。通常、会社員は確定申告をする必要がないのですが、私は毎年確定申告をしています。
私は会社からRSU(Restricted Stock Unit)という会社の株式をもらうことができる権利を毎年のようにもらっています。会社から株をもらっているということです。
ま〜言ってみれば、これこそ本当の会社からのボーナスみたいな物で、自分の成績が評価されたり、儲かっている時に会社からRSUが付与されるんです。
そのおかげで毎年確定申告をしなければいけません。
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RSU(制限付き株式、現物株式付与)の確定申告
このRSUと言ういわば株式をもらう権利は、そのほとんどが外資系企業によくあるんです。RSUは日本オフィスから付与される訳ではなくて海外の本社から与えられるため、日本オフィスで源泉徴収出来ないケースが多い訳です。
そのためRSUをもらった人は自分で確定申告して、そのRSUで発生した所得(給与と同じ扱い)に対する税金を払う必要があるんです。
確定申告が必要だと知らない人もいるんですが、会社がRSUの支払いに付いて税務署に報告をしている(たぶん)ため、確定申告をしなかった場合、必ずバレると言われています。バレてしまった場合、かなりの金額の追徴課税がくると言われショックが大きいので、きちんと申告することをおすすめします。国民の義務をきちんと果たしましょう。
マイナンバーカード方式での電子申告
マイナンバーカード方式での確定申告が、平成31年1月からeTaxが可能になりました。
国税庁では、マイナンバーカードに標準的に搭載される電子証明書やマイナポータルの連携機能の活用などにより、個人納税者の方のe-Tax利用をより便利にするためのシステム改修を実施し、平成31年1月から以下の2つの方式がご利用可能となりました(以下「e-Tax利用の簡便化」といいます。)。
また、個人納税者に係るe-Taxのメッセージボックスの閲覧については、セキュリティ対策の観点から、平成31年1月以降、原則としてマイナンバーカード等の電子証明書が必要になります。
詳細については、「メッセージボックスのセキュリティ強化について」をご確認ください。
今後e-Taxを利用する場合に、マイナポータルを経由して入手した医療費情報を活用できるようにするなど、手続の簡便化に向けた取組を進めています。
出典:国税庁 eTax (https://www.e-tax.nta.go.jp/kanbenka/index.htm)

eTaxの利用の簡便化
マイナンバーカードを利用してeTaxを行う方法は、1)PC(対応カードリーダー使用)、2)iPhoneなどの対応スマホから行うことが可能です。
また、マイナンバーカードがなくてもeTaxでの届出は可能で、eTaxのIDやパスワードを取得することで同様にeTaxで電子申告を行うことが可能です。
eTaxで電子申告を行うと、申告書などインターネットで送信して完了となるので、とても簡単かつスマートに確定申告が出来ちゃうんです。さらに、今までは確定申告に関する書類も持ち込みなどで提出していましたが、eTaxではそのほとんどを省略できるので、わざわざ書類を郵送などする必要がないのもいいです。もちろん、提出(持ち込みや郵送などで)しなければいけない書類もありますが、一般的な会社員などは提出する書類はないと思います。
例えば、源泉徴収票やふるさと納税の納税証明書などは提出する必要がなくなりました。
この記事では、PCを使用してRSUの確定申告をeTaxで行ってみたのでその方法をご紹介します。ついでにふるさと納税の控除も合わせて申告します。
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確定申告の流れ
(⓪ マイナンバーカードを申請する)
① 申告に必要なものを準備する
② 申告書の作成
③ 提出
申告書は基本的にPCのウェブブラウザやスマホ(iPhoneなどの対応スマホ)を使って申告書の作成をして、作成後提出して完了です。
① 申告に必要なものを準備する
1)マイナンバーカード
事前にマイナンバーが記載されている通知カードを使用して、スマートフォン、PCからマイナンバーカードの交付申請が出来ます。
交付申請はスマホやPCでできるため簡単ですが、申請してから約1ヶ月〜2ヶ月程度交付されるまでに時間が掛かるので要注意です。私も申請してから通知が来て受け取るまでに約2ヶ月くらい掛かりました。2月に入ってから申請してもその年の確定申告には恐らく間に合いません。
十分に前もってマイナンバーカードの交付申請は行っておきましょう!
もちろん、電子申告をしないで申告書だけを作成する場合などはマイナンバーカードは必要ありません。その場合は、作成した申告書と必要書類を税務署に自分で持ち込めばOKです。私は、去年までPC上で申告書だけを作成して直接税務署に持ち込んでいました。確定申告の時期の税務署はすごい混んでいるので、持ち込みはあまりおすすめはしません。
2)マイナンバーカードリーダー(または対応スマホ)
PCに接続してマイナンバーカードの読み込みに使用するカードリーダーが必要です。量販店でマイナンバーカードリーダーはいくつか対応するものが販売されています。
私は、NTT Communications の「ACR1251CL-NTTCom」を購入しました。このカードリーダーは、MacOS対応です。私のPCもiMacでMacOS HighSierraです。もちろん、Win10にも対応しています。
この記事ではPCにカードリーダーを接続して、PC上で申告書を作成していますが、スマホ(iPhoneなど)でも可能です。スマホとは申告書の作成フォーマットが異なるかもしれませんが、この記事を参考にして作成できると思います。
おすすめは、PCで申告書を作成することをおすすめします。やはり画面が大きく分かりやすいためです。
ただ、他のサイトでもスマホでeTaxをしている方がいるので、スマホで申告をする場合にはそちらを参考にすることをおすすめします。
3)源泉徴収票
確定申告書に源泉徴収されている給与収入や各種控除額を入力するのに必要です。
4)RSUの株がベスト(付与)された時の確認書
例として私が準備した書類をお見せします。ETRADE(イートレード)ではConfirmation Letterをダウンロードできます。
参考にしてください。

ETRADEのストックリリースの確認書の場所

ETRADE RSUの確認書
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5)ベストされた時の為替レート情報
利用している銀行の為替レート情報を入手します。為替レートは、RSUがベストされた日のものを使用します。
私は三井住友銀行を利用しています。
三井住友 過去の公表相場一覧
https://www.smbc.co.jp/market/backnumber/fixing/
東京三菱UFJ 外国為替そうば
https://www.bk.mufg.jp/ippan/gaitame/index.html
ここで、為替レートは、「TTM」を利用します。
また、ベストされた日が日曜日などで為替レートが記載されていない場合は、その前日のレートを使用します。
6)確定申告のお知らせ(予定納税額の情報)
初めてRSUがベスト(株式付与)されたり、ストックオプションを行使して収入があった人は、下記の予定納税は当てはまらないと思います。
ただ、翌年度から予定納税というものが税務署から届くと思われます。この予定納税は、必ず納税する義務があります。
確定申告時期の少し前(1月中くらい)に「確定申告のお知らせ」という書類が税務署から届きます。(申告の仕方によっては届かない人もいるかもしれません。)
重要なのは、昨年度にも同様にRSUやストックオプションを行使して所得を得て確定申告をした人は、今年度に「予定納税」という税金を支払っていると思います。
これは、「次の年も同じようにRSUやストックオプションによる収入があるでしょ?だから、予定納税として分割(第1期と第2期に分けている)で税金を払ってね」みたいなものです。確定申告の時に多額の税金を払わなくても良く、国税庁の計らい?でもあるのです。
ちなみに、この予定納税は、必ず納税する必要があるようです。納税が遅れると追徴課税を求められることもあるようです。
確定申告で遅かれ早かれ納税するんだから、予定納税は払わなくてもいいんじゃね?と思いがちですが、きちんと予定納税はしておきましょう。てか、それの方が確定申告時にたんまり税金を持っていかれることがないので、分割で納税しておいた方が楽です。
まだ、株式を現金化してないものに対して、予定納税を支払うのは非常に抵抗がありますが仕方ありません。
7)ふるさと納税などの納税証明書など
RSUの申告と合わせてふるさと納税などの控除の申告が出来ます。忘れずに控除の申告をしておきましょう。
ふるさと納税は65%もの人が確定申告をしてないと言うデータもあるそうです。
確定申告をしないとふるさと納税した税金の還付を受けることが出来ません。完全に寄付になってしまいます。
② 申告書の作成
電子申告の作成スタート
eTax(https://www.e-tax.nta.go.jp/)のページから「個人で電子申告するには」から申告書の作成を始めます。

eTaxトップページ
ここでは、あくまで会社員の方を対象にして紹介しています。
途中までの入力を保存することができるので、空いた時間に作成したり、申告書だけを作成しておき確定申告が開始されたら直ぐに提出することも出来ます。

確定申告書等作成コーナー
実際に申告書を作成していきます。

作成開始
ここから先、マイナンバーカードの読み取りを行います。
事前に「利用者クライアントソフト」をダウンロード、インストールしておく必要があります。ダウンロード先は、公的個人認証サービスポータルサイトからダウンロード可能です。
「作成開始」に進むと、利用者クライアントソフトをインストールしていない場合は、事前チェックで未インストールだと検出されてダウンロード先のリンクが表示されます。
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マイナンバーカードの読み取り

マイナンバーカードの読み取り

暗証番号の入力
無事、事前チェックが済むと、マイナンバーカードが正しく読み取れます。
また、再度、パスワードの入力を求められますが、マイナンバーカードを作成した時に4桁の暗証番号を作成したと思いますが、それを入力すると無事進んでくれます。
マイナンバーカード方式の登録
次に、eTaxでの申請が初めての場合に、マイナンバー方式による登録が行われて、これでマイナンバーカードによるeTax申告が可能になります。

マイナンバーカード方式電子申告登録
申告書作成

令和元年分の申告書の作成

所得税の申告

給与・年金の方作成開始

提出方法の選択

給与が2ヶ所以上
ここで、外資系企業などの場合は、RSUの株は海外の本社から付与されているケースがほとんどだと思います。私の場合も本社からの付与になっていますし、株の管理はETRADEという海外の証券会社で海外のストックマーケットの株として管理されています。
したがって、同じ会社名ですが、日本のブランチオフィスの日本法人とは違い、海外の本社から給与を受けているとなるようです。
そのため、ここでは、「給与の支払い者(勤務先)は2ヶ所以上である」を選びました。
今まで確定申告をしてきて、「給与の支払い者は2ヶ所以上」を選んでいますが、税務署からお呼びは掛かっていません。
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給与の入力をクリック
源泉徴収されている給与の入力

給与の入力(源泉徴収済み)

源泉徴収済みの給与の入力
まず、源泉徴収済みの給与(=日本法人のブランチオフィスからの給与)は、すでに年末に源泉徴収票をもらっていると思うので、それを照らし合わせながら同じ値を入力して行きます。
入力項目に漏れのないように気をつけたいところです。
特に、扶養控除や生命保険、住宅借入金等特別控除など記入漏れをすると税金が大きくなるので気をつけましょう。
源泉徴収されていない給与の入力
次に、RSUの取得分を入力します。
RSUによる株式取得額を入力する
RSUの株の取得は、給与所得として税金を申告する必要があり、外資系の場合は海外の本社から付与されているので、年末調整などされているはずもありません。
そのため、下段の「年末調整済みでない源泉徴収の入力」を選択して入力します。

給与の入力(源泉徴収済みでない)

RSUの取得額を入力
はい、ここでいくつか注意事項があります。
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1)取得したRSUの額の計算
RSUの株数と、ベスト(実際に現物の株式が付与されること)された日の株価を掛け合わせた額に、その日の為替レートで
日本円に換算する。ETRADEの株式付与確認書(Employee Stock Plan Release Confirmation など)と銀行の為替レート情報から計算します。
支払い金額 = 株数 x 株価 x 為替レート(TTM)
為替レートは、TTMで計算します。
TTMは、TTSとTTBの平均値
2)給与の支払い者の氏名(会社名)と住所
会社名と住所は、外資系ならアルファベットで書きたくなりますが、全角入力でないとエラーになってしまいます。さらに、入力文字数の制限もあって、全角アルファベットで入力しても文字数でエラーとなり、無理ゲーです。
そこで、会社名はカタカナで入力しました。
住所は、細かく入力できないので、国名、州(アメリカなら)、市をカタカナで入力しました。
ストリート番号やストリート名などは入力しませんでした。
3)複数回のRSUを取得している場合
RSUを複数回取得している人もいると思います。私もそうでした。
多分、いっぺんにまとめても問題ないのではないかと思いますが、私は一件一件分けて「別の源泉徴収票を入力する」から複数の株式付与として入力しました。

給与所得の入力結果
所得控除の入力

所得控除の入力
ここではあまり説明しませんが、申告しておくべき所得控除を入力します。
特に、ふるさと納税の控除は忘れがちなので、忘れず入力しましょう。
注意点
あと、私が入力し忘れそうになったのが、扶養控除や配偶者控除です。結婚されている方や16歳以上の扶養している家族がいれば、控除対象になります。
私は、息子の扶養控除を入力しておらず、最初、納税額が計算された時に多額の税金になり驚きました。。。そりゃもうブルーですよ。
でも、息子の扶養控除の分を入れ忘れていたことに気づき、入力した後の計算された納税額でホッとしました。10万円くらいは大きく違ってきます。気をつけましょう。
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ふるさと納税(寄付金控除)の入力例
せっかくなので、ふるさと納税の入力例も掲載しておきます。
あくまでも、ふるさと納税の入力例です。参考にしてください。

ふるさと納税入力例
予定納税額の入力

予定納税額の入力
そして、今年度すでに納税した予定納税額を入力します。これを入力しないと税金を重複して納税することになるので、十分気をつけたいです。
その他税額控除等
ここでは説明しませんが、その他税額控除等の入力も忘れずに入力しましょう。
納税額の計算結果

納税額の計算結果
やっと、これで入力は終わりです。
最後に、ドキドキの納税額の計算結果が出ます。予定納税しているし昨年度と取得した株が変わらなければ、それほど大きな額を納税することはありませんが、ドキドキです。
③ 提出
申告書の作成が完了すると、最後に「送信」ボタンをクリックして完了です。
提出書類
申告書の作成を終えて送信が完了すると、申告書の送信確認書をダウンロード出来ます。
申告した内容によって、提出が必要な書類のリストが確認出来ます。
一般の会社員が確定申告して、申告するものがふるさと納税くらいであれば、これらに関する書類や源泉徴収票すら提出する書類はありません。
平成31年(2019年)4月1日以降に提出する確定申告書は、源泉徴収票は確定申告書への添付が不要になりました。しかも、これらの書類の保管義務もなくなりました。
特に、源泉徴収票は給与の支払者が、税務署に提出しているので、納税者が二重に提出することがなくなったと言うことらしいです。
参考:国税庁:国税関係手続が簡素化されましたhttps://www.nta.go.jp/information/other/tetuzuki_kansoka/index.htm
ただ、RSUの取得については、給与所得に分類されるようですが、RSUのベスティングに関わる確認書などの書類簡便化については、国税庁のページに記載されていませんでしたので、私は念のため税務署に郵送で送りました。
最後に
RSU(会社からの現物株式権利)をもらった時は、きちんと確定申告をするようにしましょう。後から指摘されてしまうと精神的にも金銭的にもダメージが大きいので、正しく申告しておきましょう。
このRSUは株式なので、ベスト後に売却をして譲渡益が発生したら、通常の株式の譲渡益に対する申告分離課税が適用され20.315%が税率のようです。